初めての水中撮影

さて、初めて水中写真を始める方のために、撮影するにあたってのポイントを簡単にご紹介していきましょう。
写真テクニックには基礎が存在しますが、あまり難しい鉄則は抜きにして、なるべく簡単にご説明します。
水中写真には「これが100%正解」はありません。
とにかく、陸上ならともかく、ダイビング中に中性浮力の調整や移動だけで体力が消耗してしまっては、
なかなか良い写真は撮れません。ダイビングスキルをしっかり磨いて、ゆっくりと楽しく始めていきましょう。
デジタルカメラの時代になって、水中写真は誰でも気軽に、そして簡単に始められるようになりました。
使い方のコツを覚えるとこれほど簡単に、楽しく、そして奥の深いものはありません。
さあ、さっそく始めていきましょう!

基本はやはり”目”にピント

魚や生物を撮影する時は、目にピントを合わせてみましょう。
人もそうですが、目は表情や感情を一番わかりやすく表している重要なパーツです。
魚に表情?と思われるかもしれませんが、
写真にはやはり主題(テーマ)がないよりあった方がいいですよね。
目の表情は、写真の印象を決める最も大切な要素のひとつです。
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(c)Masaaki Harada @ Ishigakijima
ピントが目から外れてしまうと、意図がはっきりしない(主題がわかりにくい)写真になりがちです。
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(c)Masaaki Harada @ Ishigakijima
はっきりと目にピントが合っているので、撮影者の狙いがわかりやすくなります。

ピンぼけ写真を防ぐには、手ブレ防止をしっかりと

正しい構え方は手ブレを防ぐためにとても大切なポイントです。
コンパクトデジタルカメラは、軽い反面、逆にブレやすいので、必ず両手でホールドして撮るようにしましょう。
慣れてきたら片手でもいいのですが、最初は両手でしっかりと構えましょう。脇を軽く締め、右手は人差し指が自然にシャッターボタンの上に乗るようにグリップを持ちます
左手は軽く曲げた人差し指の上に本体を乗せ、親指で本体左側面を支えるようにします。
まずは、静かに被写体から少し距離をとって着底しましょう。着底する際には、自分の降り立つ位置を見てから静かに足をつきます。
砂地でも岩場でも、ダイバーが知らず知らずの内に、生き物の住処を踏んでしまったり、貴重な生態系を破壊してしまう時があるからです。
着底したら、静かにゆっくりとカメラを構えて液晶モニターで構図を決めて、被写体に向かって近づきます。
シャッターを切る際には、呼吸は吐き気味にしておきます。吸って息を止めて撮影する癖をつけると、危険ですし、エア持ちもかえって悪くなります。自然な呼吸でリラックスしながら、ゆっくりとシャッターを切ります。

(c)Masaaki Harada @ Ishigakijima
これがピンぼけ写真です。なにがなんだかわかりませんね。
(c)Masaaki Harada @ Ishigakijima
どうですか?ピントがしっかり決まっていると、見栄えが全く違いますね。
(c)Masaaki Harada @ Ishigakijima
これは奥ピン(奥の背景にピントが合っている)といってあまり好まれません。
(c)Masaaki Harada @ Ishigakijima
基本は手前ピン(手前の被写体にピントを合わせる)です。主題を手前に置くとすっきりとしたわかりやすい印象になります。

基本の構え方

【両手でしっかりとホールドします】
人差し指はシャッターに掛けた状態で、ゆっくりとシャッターが切れるポジションで無理ない状態で力を入れずにカメラを向けます。

【脇を締めて】
脇が空いた状態ですと、気がつかない内に上体がブラブラしてしまいます。
まずは脇を締めて、しっかりと固定しましょう。

【着底して撮影しましょう】
特にサンゴがある所には絶対に着底してはいけません。また砂地でも岩場でもフィンの位置に注意して自然の生態を壊さないように細心の注意を払いましょう。

【落ち着いてゆっくりとした気持ちで撮影しましょう】
魚を追っかけていては絶対にいい写真は撮れません。じっくりと構えたまま待つ気持ちが重要です。落ち着いて観察してフレーミングに集中してください。

【魚の目線で撮影しましょう】
可能な限り、魚の目線で水平に、出来ればアオって(見上げるように)撮影してみてください。
初心者は、ついつい自分の立っている位置から漫然と見下ろして写真を撮ってしまいがちです。被写体と同じ所まで体を低くして周りを眺めてみると、世界の見え方がまるで違うことに気がつきます。
子供やペットを撮影する時の気持ちを思い出してください。出来上がりが全く違ってきますよ。また、下を向いて撮影していると、背景が砂地だったり、岩場だったり、バックがごちゃごちゃした印象になります。すっきりとした写真を撮るには、水平を意識して、出来ればアオって撮影してみてください。

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ピンぼけ写真を防ぐには、シャッターの半押しをマスターしましょう

まずはAF(オートフォーカス)で撮影するコツをマスターしましょう。
カメラの操作にはAF(オートフォーカス)とMF(マニュアルフォーカス)がありますがAFで撮影するやり方がほとんどだと思います。
まずは、シャッターレバーをゆっくりと押してください。ピントが合うとグリーンのランプが点灯等の合図があります。これはピントと露出が合ったというサインです。もしランプが点滅している場合はピントが合っていない状態と思ってください。半押ししてピントを固定した状態で静かにシャッターを押し切ります。

フォーカスロックをマスターしましょう

フォーカスロックは簡単に言うとシャッターボタンを半押しすることによってフォーカスを固定する機能です。これによって、構図の中の好きな位置に被写体を移動することができるようになります。
[1]ファインダーの中央にあるフォーカスエリアに被写体を置いてシャッターボタンを半分まで押し込んでフォーカスを決めます。(きちんとピントが合うとランプ点灯等の合図があります)。
[2]好きなの構図になるようにカメラをわずかに振ります。
[3]シャッターボタンを全押しして撮影します。
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(c)Masaaki Harada @ Ishigakijima
フォーカスロックしないまま写真を撮ると動いている被写体にフォーカスが追いつかず、手前がピンぼけになってしまいました。
(c)Masaaki Harada @ Ishigakijima
フォーカスロックをマスターすると、被写体を好きな所に置いて、構図を決める事が出来ます。
※フラッシュや測距センサーなどを指で覆ってしまわないように注意しましょう。シャッターボタンを押す際に手全体が動いてしまわないように「シャッターを押すのは指のみ」と意識してあせらずゆっくりとした気持ちで撮影しましょう。
(c)Masaaki Harada @ Ishigakijima
まずは撮りたい被写体を中心に置いてシャッターボタンを半押しして、それから構図を移動します。
(c)Masaaki Harada @ Ishigakijima
フォーカスロックしたまま構図を移動してシャッターを押すと、好きな所にピントを合わせる事が出来ました。
手前と奥に2匹のタコがいます。完全に擬態しているつもりのようです。フォーカスロックを身につけると、このように構図を変えずに様々な撮影が可能になります。
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(c)Masaaki Harada @ Ishigakijima
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(c)Masaaki Harada @ Ishigakijima
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よく聞くのですが、透明度が悪い時や、思うように被写体が見つからない時に「撮るものがない」「何を撮っていいのかわからない」。だから一枚も切らずにダイビングを終えてしまう。果たしてそうでしょうか?
せっかくのダイビングです。ガイドインストラクターの指し示す所には魅力的な被写体がたくさんいます。時には自分で撮影テーマを決めてそれを探すのも面白いものです。見つけたら、とにかくシャッターを押すことです。自然界の表情は刻一刻と変化し、そして輝くような瞬間はあっという間に消えてしまいます。この瞬間を逃がさないためにもたくさんシャッターを押して、そのステキな瞬間を写真におさめるチャンスを増やしましょう。ガイドインストラクターに予め「○○が撮りたい」とリクエストをするのも良いでしょう。見つけられる可能性も高くなります。