ワイド撮影の基本

ワイド撮影って何?

ズバリ、広角撮影の事を言います。もっと簡単に言いましょう。「広く撮れる」って事です。ズームレンズの広角側(ワイド側ともいいます。その逆※「望遠」側=「テレ側」)です。
やっぱり広い海の中にいると、その広がりやダイナミックな風景を記録してみたくなりますよね。となれば当然、ワイド撮影はダイビングにかかせないという事が言えます。
さて、「焦点距離」って耳にされた事はありませんか?これはデジタルカメラのスペックに必ず表記されている数値で、標準的な数値は35mm〜85mmです。(あなたのお持ちのカメラも○○mmと示されています)この小さい側の数字の領域が「ワイド」や「広角」、大きな側の数字は「ズーム」や「望遠」と呼ばれます。この小さい数字が小さいほど、より広い領域を写真に撮る事ができるのです。つまりワイドに強いデジタルカメラとは、この「画角」が広い=「焦点距離」が短いというスペックを満たしている事なのです。
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(c)Masaaki Harada @ Ishigakijima

一般的な35mm撮影の写真と比べてみると、違いがわかります

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35mm
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28mm
普通のデジタルカメラ(標準的な焦点距離)では写真に収まりきらない大きな被写体や、風景の奥行きや広がりの差がお分かりになりますか?焦点距離が短い(ワイドに強い)レンズを持ったデジタルカメラでは、奥行きや高さが強調されます。つまり、迫力や臨場感が画角の広さで表現されるのです。
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35mm
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28mm

ワイドレンズの特長として、肉眼よりも広く写ると同時に、通常の感覚より小さく写ります。
このため、出来上がった写真を見て、撮りたかった被写体が思ったより小さく写っていると感じることがあります。まず、慣れるまでは、撮りたい被写体に、できるだけ寄って撮影することを心がけましょう。被写体に「寄る」ということは、水中写真の基本中の基本です。なぜって?海の中には、様々なプランクトンやゴミなどの目に見えるもの、見えないもの様々な浮遊物が存在します。また写真が海の色に染まってしまう=ブルーの層を軽減できるため、クリアな写真を撮るために必要なことなのです。

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ワイドレンズでは、被写体に寄らないとこのように中途半端な写真になってしまいます。遠く小さくなってしまうのです。

まず「画角」の意味を理解しましょう

さて、「画角」って新しい言葉が出てきました。そうです。
ズバリ、画像の角度=写せる範囲です。
例えば、「バディ同士で集まって集合写真を撮るときに端の人が入らない」、「大きな群れを撮ろうとしているのに全部写らない」といったことは一度でもカメラを使った事があるダイバーは皆、経験していると思います。そうなると、仕方ありません。後ろに下がって、キチンと収まる所まで後退するしかありません。すると水中では面倒な事が起こります。そうです。さきほど述べましたが、浮遊物やゴミなどが移ってクリアに写りにくくなるのです。
(もちろん透明度バツグンの海なら問題はそうありませんが)
デジタルカメラの持つ画角が広いと今まで撮れなかった範囲が写真に撮れるようになります。

遠近感のメリハリが強調できるのがワイド撮影の醍醐味なのです

「ワイド」の最大の特長は「広い範囲が写せる」ということです。
これだけだと、サンゴ等の風景やマンタやサメ等大きな物を撮影するのに向いているだけだと思ってしまいますが、もう一つのすごさに「遠近感の強調」があるのです。
つまり、近くのものをより大きく・遠くのものはより小さく写すことで、空間の広がりや建物の存在感をより強く表現してくれるのです。
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同じ被写体を、広角と望遠で撮影した写真。広角で撮影すると手前が大きく飛び出てくる感じがわかります。

このようにワイドレンズ(更にワイド端)で撮影すると奥行きや高さを感じる事ができる写真になるのです。

「ワイドマクロ(※)」ってどんな意味?

ワイドと名がつく以上、空間を広くとった撮影です。
と同時に、手前にもピントを当てて、前にも背景にも「奥行き」を出したテクニックです。
(※正確には疑似用語です)広角になるほど、ピントの合う範囲(被写界深度といいます)が深くなってきます。
人物撮影のように、意図的に背景をボカすなら話は別ですけど、「ワイドマクロ」は、手前にも背景にもピントが合っていてほしい。そんな時のテクニックです。
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(c)Masaaki Harada @ Ishigakijima

ワイドマクロ(広がりと同時に奥行感のある写真)を活かして写真を撮ると「アップの迫力」「ボリューム感」「空間の広がり・奥行き」が、目で見たときよりも強く表現ができます。

さて、おさらいです。
ワイドの特徴を活かして写真を撮ると「アップの迫力」「ボリューム感」「空間の広がりや奥行き」が、目で見たときよりも強く表現できます。「ワイド」の最大の特長は「被写体により接近することができ、且つ広い範囲が写せる」ということです。これだけだと、広い海や大型の被写体を撮影するのに向いているだけだと思ってしまいますが、もう一つのすごさに「遠近感の強調」という事を覚えておいてください。